STEP 1薬剤選定の基礎を理解する

06ブリーチ選定攻略マニュアル

〈はじめに〉

下記内容は、2024年7月時点で使用を推奨している薬剤になります。
個人の感想・感覚が含まれている点や、おすすめした使用例が状況等に応じて変化する点を予めご了承ください。

脱色のメカニズム

脱色の条件

倍率 3倍2倍1.5倍

倍率を変えると仕上がりの明度も変わる

オキシの濃度で変わるのは脱色スピード

3%でも時間をおけば同じ明度まで抜ける

保湿 無し有り ラップ・アルミ・コットンなど
温度 常温温かい(加温) 加温する場合は必ず100度未満

水分が蒸発するため正常な反応が起こらない

塗布量 少ない普通多い 一枚毎のパネルに対して

ムラの原因として一番多い

粘度 柔らかい硬い オキシの硬さ

薬剤の髪への密着度で変わる

土台 無し有り ボード、ペーパー、ホイルなど

髪へ押しこむように塗布できるので

ダメージの原因と対策

ケミカルダメージ
原因
過膨潤
対策
アルカリ量を下げる
原因
酸化
対策
処理剤を使う
原因
残留アルカリ
対策
水洗をしっかり行う
後処理のPH調整を行う
物理ダメージ
原因
ハケ・コーミング
対策
優しく行う
原因
コテ・アイロン
対策
低〜中温度で行う
原因
カット(セニング)
対策
量を取りすぎない
ダメージ対策のまとめ
  • クリアを使いパワーを下げる
  • 処理剤を使う
  • ブリーチ前後の水洗をしっかり行う
  • オンカラー後は残留アルカリを除去する
  • ハケのタッチやコーミングは丁寧に行う
  • コテ・アイロンの使用時は温度を下げる
  • できるだけ毛量を残す

おすすめのブリーチ剤

IRONOWA / クロマテック

キレートブリーチ N
キレートブリーチ N
長所
  • 粘度が少し硬く、操作性が良い
  • 脱色速度が緩やかで、抜けすぎを防止しやすい
  • 加膨潤しにくく、質感をキープしやすい
短所
  • 短時間で強く脱色したい時には不向き

IRONOWA / クロマテック

キレートブリーチ F
キレートブリーチ F
長所
  • 粘度が柔らかく、広い範囲を塗布しやすい
  • 短時間で目標明度に到達する
短所
  • 脱色速度が早い分、狙った明度で止めにくい
  • 脱色速度が遅いブリーチに比べると速度が早い分、やや質感が損なわれやすい
ブリーチ剤の反応
  • ブリーチ剤毎に反応曲線に違いがある
  • キレートブリーチ Fは初速が速い
  • キレートブリーチ Nは反応が穏やか
  • 2つのブリーチを併用する事で「スピード」を幅広くコントロール

脱色速度の緩やかなブリーチ

キレートブリーチ N

脱色速度の速いブリーチ

キレートブリーチ F

クロマテックブリーチNとクロマテックブリーチFを併用することで幅広く対応することが可能です。

おすすめブリーチ剤の特徴まとめ
脱色速度 反応時間 粘度
キレートブリーチ N やや遅い 長い やや硬い
キレートブリーチ F 早い やや短い やや柔らかい