STEP 1基本となる原理・考え方を理解する

05カウンセリング

なぜカウンセリングが重要なのか。
お客様のニーズが多様化している現代ではそれを見極める技術が必要になるからです。
SNSなどで学べるようになり技術力が全国的に上がってきていますが、技術力と同じくらいカウンセリング力が重要です。

時代背景とカウンセリングの重要性

お客様が美容室に来店する理由

お客様自身がなりたい姿(目的)になるための
施術(手段)を買うためにご来店される

例えばこんな理由
  • 職場や家庭で若く綺麗に見られたいから、白髪染めをする
  • 流行的でおしゃれな女性になりたいから、バレイヤージュをする
  • 朝のスタイリングの時間を短縮したいから、縮毛橋正をする
POINT
カットをすること、カラーをすることが目的ではなくその先にある「なりたい姿になること」が目的です。

ニーズ=目的

若くみられたい
お洒落になりたい
朝の時間を短縮したい

潜在的

潜在的なニーズを把握し解決することで、お客様の満足度向上に繋がる

ウォンツ=手段

白髪染め
バレイヤージュ
縮毛矯正

顕在的

カウンセリングの種類

それぞれのタイミングで会話の内容を決めておきましょう。

  • プレ
    カウンセリング

    施術前

  • ミドル
    カウンセリング

    施術中

  • アフター
    カウンセリング

    施術後

カウンセリングの種類別内容の一例

最低限カルテに書いておくべき内容です。

今日のメニュー
カット・カラー・トリートメント
施術料金:35,000円
今日の目標
イメチェンしたい
色味をネイビーにしたい
毛先に厚みを出したい
カット
レイヤーベースを切りっぱなしのワンレンに
毛先6cmほどカット
前髪は厚い状態から、薄めを目指す
厚い部分は今後伸ばす
薄めの部分は目と眉毛の間
左から右に流す
カラー
ダブルカラーで暗めのネイビー希望
初めての全頭ブリーチ
初めてのネイビー(いつも茶色が多かった)
トリートメント
トリートメントとケアプロ
毛髪履歴
2ヶ月前にインナーブリーチ&ハイライト
1ヶ月前にベージュ系カラー
1ヶ月前にハイライト
色味は毎回ブラウンベースらしい
改善したいこと・お悩み
前髪がうまくセットできない。(コテでやるとS字になってしまう)
アイロンの使用頻度が高く毛先がパサつく
来店動機
インスタを見ていて、上手くやってくれそうと思った
美容室履歷
特に決まっていない
来店周期は大体1ヶ月半前後
春から転職して髪色が自由になった
学生時代〜就職後3年間はダークトーンだった
直近で3つくらい表参道の美容室に行ったが、思った感じにならなかった(毎回なんとなくのイメージはあるが具体的ではないので上手く伝えられない)
できれば行きつけを作りたい
来店当日までイメージを決められないことが多い
日常のお手入れ
週に5回はアイロンを使う
ミックス巻きなどする
アウトバスはたくさん持っているが使うのを忘れる
Deeplexシャンプー、トリートメントを勧めた
ミルクとオイルを勧めた
担当者へ求めること
似合う感じを提案してほしい
ある程度お任せしたい
似合わせorトレンドなら→似合わせ
今日のスタイリング
ワンカール、顔まわりリバース
前髪はストレートアイロンでの流し方伝えた
今後の目標
髪色が自由な職場になったのでいろいろ楽しみたい
似合う髪色、髪型を探したい
履歴が複雑なので、ハイライトを足しつつ全体のバランスを整える
黒×シルバーのコントラストもやってみたい
春はラベンダーとピンクをやってみたい(イメージ画像あり)
次回提案
1ヶ月後にカット、カラートリートメント
カットは前髪カットのみ(伸ばし中の部分を軽くする)
毛先は様子を見る
カラーは次もネイビー(変わるかもしれないのでその時気分を聞く)
優先順位
  1. 1. 技術(イメチェンしたい)
  2. 2. 接客(特に希望なし)
  3. 3. 時間(何時でもOK)
  4. 4. 価格(いくらでもOK)
好きな系統
韓国系
コンサバ
カジュアル
いろんなジャンルが好き
サロンでの過ごし方
朝国ドラマ(スピーカー喜んでた)
携帯で仕事
お飲物
1回目:烏龍茶(アイス)
2回目:ほうじ茶(ホット)
トリートメント
トリートメントとヘアマスク
プライベート
出版社の営業(広告周り)
土日休み
職場も家も表参道近辺
カウンセリングの目的

以下の3つのポイントを意識することで再来率の高い美容師としてお客様に支持されるようになる。

プレカウンセリング
何を(What)の把握

今日の仕上がりのイメージ共有

ミドルカウンセリング
なぜ(Why)の把握

これまでの美容経験・価値観の共有

アフターカウンセリング
どうやって(How)の提案

次回以降の髪の毛のプランの共有

プレカウンセリングで聞くべき内容

  • 理想のイメージ(仕上がりの明度・彩度・色相)
  • 過去の施術履歴
  • 改善したいこと・お悩み
  • その他不安なことの共有
理想のイメージ

お客様が事前に画像などを持ってきているか?それは可能か?

有り

  • 明度・彩度・色相の確認

    できれば複数

無し

  • 現状維持orイメチェンを確認
  • 変えたい部分と変えたくない部分を把握

言葉だけでなく画像などで確認する

可能

  • 明度・彩度・色相の確認

    できれば複数

不可能

  • その理想のイメージにするためのプロセス・予算・所要時間をご説明する

※必ずお客さま目線で説明を行う
×次の予約があるので

難しい施術に関しては、
ゴールの幅を広めに設定する

例)もしよければ今日はブリーチ無しでなるべく近い色味にさせていただいて、物足りなければ次回以降ブリーチをしてあげると色味も安定するし髪の履歴もわかるので良いと思うのですがいかがでしょうか?

色による印象一覧表

イメージワードを拾ってお客様の希望のカラーを読み解く。

イメージワード 対応例
軽く 明度をあげる・彩度を下げる
重く・しっとり 明度を下げる・黄色味を消す
若々しく 明度・彩度を上げる
大人っぽく 明度・彩度を下げる
女の子らしく 暖色系〜中性色
カッコよく 寒色系
柔らかく 明度を上げて暖色系
硬く 明度を下げて・寒色系
透明感 ティントを削る・彩度を下げる
個性的に 明度・彩度・色相でコントラストを出す

「具体的な希望を伝えていないのに私に似合うカラーにしてくれた」という絶対的な信頼感が生まれる。

過去の施術履歴
  • 黒染め
  • 白髪染め
  • ブリーチ
  • 縮毛矯正
  • デジタルパーマ 等

明らかなものは当ててあげると信頼度がアップする。

改善したいこと・お悩み
  • 髪のパサつき
  • 乾燥
  • うねり
  • 抜け毛
  • カラーの色持ち
  • ボリューム感
  • 白髪 等

お客様の中の「不」を共有する。

「不安」「不満」

お客様が悩んでいるであろうことを言い当てるのはハードルが高いことですが、共有はしておくべきです。
そのような時に使えるキラーワードがあります。

私のお客様で、最近○○がお悩みの方が多いのですが、
△△様はいかがですか??

3つのメリット
  • お客様を傷つけない
  • リスキーシフト(心理的バイアス)がかかる

    安心感・信頼感に繋がる

    (この美容師さんは私と同じような悩みのある人から支持されているんだな)

  • 「不」を把握できる

    提案に繋がる

    (「不」を把握できていないままの提案は押し売りになります)

ミドルカウンセリングで聞くべき内容

  • 来店動機
  • 美容室履歴
  • 日常のお手入れ
  • 美容師に求めること

お客様の美容に対する経験や価値観を
共有する

来店動機

なぜ今日、このお店に来店してくれたのかを確認する。

お客様の優先順位が把握できる・次回提案をする際のキーワードに使える。

お客様の優先順位
  • 技術
  • 接客
  • 金額
  • 時間

この中で特に何を重要視するのかの把握が大切。

技術も大事だけどコスパも重視
居心地の良さ重視・子どもがいるから早めに
美容室履歴
  • 今まで通っていた美容室は?
  • 行かなくなった理由は?
  • 普段の来店周期は?
  • 今までで好きだった髪色は?
  • 今までで嫌だった髪色は?

嫌なことを把握してそれをしない。

お客様の中にある「地雷」の場所を把握する。

日常のお手入れ
  • 普段のお手入れ方法は?
  • コテ、アイロンの使用頻度は?
  • おうちでのケアは?

技術や商品を提案する際の「根拠」にする。

美容師に求めること
  • 髪色は毎回変える?それとも一定?
  • いつもイメージを持参する?相談してる?
  • 似合わせとトレンドどっちが大事?

髪色を提案する為の、承諾を得る。

アフターカウンセリングで話すべき内容

  • 今日のスタイリングに関して
  • 今後の目標
  • 次回提案

次回以降の髪の毛のプランを共有

今日のスタイリングに関して
  • 使うべきアウトバス
  • 必要なカラーシャンプー
  • 乾かし方、スタイリング方法
  • アイロン、コテの温度
  • 様々なバリエーションの提示

再現性に加えて、美容室に来た特別感を感じてもらう。

しっかりと全てカルテに記入するのが重要

記入を忘れてしまうと、次回の来店時に前回と違うコテの温度にしてしまったり、前回と変えてみましょうという提案もしづらくなる。

今後の目標

次回もご来店していただくことが前提になります。

マイナスの未来

自分が担当しないと…
  • ダメージが治らない、むしろ悪化する
  • 白髪染めで頭皮に負担がかかっていく
  • 履歴がわからない状態では、失敗しやすい

プラスの未来

自分が担当すると…
  • ダメージを無くして、艶を出していける
  • 白髪染めをせず、頭皮もケアしていける
  • 色々な色味やデザインを楽しめる

マイナスとプラスの差が大きいほど
再来につながる

マイナスとプラスの未来を
それぞれ提示する。
「髪は育てるもの」という価値観を共有する。

次回提案

その他、記載しておくべき内容

  • 休みの曜日
  • 好きな系統
  • 頼まれたお飲物
  • 好きな香り

などなど、
話した内容はできる限り細かく。

覚えてくれていたら単純に嬉しいと思います。
また来てよかった、また次もお願いしたい!と思ってもらえるためにとても重要なポイントです。

自分自身に関心がない相手に
信頼を抱くことはない。

まとめ

これさえ押さえておけば次回来店時のお話が楽になりますし、お客様との信頼関係も築けるので再来率も上がります。

プレカウンセリング
  • 理想のイメージ(仕上がりの明度・彩度・色相)
  • 過去の施術履歴
  • 改善したいこと・お悩み
  • その他、不安なことの共有
ミドルカウンセリング
  • 来店動機
  • 美容室履歴
  • 日常のお手入れ
  • 担当者へ求めること
アフターカウンセリング
  • 今日のスタイリング
  • 今後の目標
  • 次回提案・休みの曜日
その他
  • サロンでの過ごし方
  • 好きな系統
  • 頼まれたお飲物
  • 好きな香り

カウンセリングシートの作り方

プレカウンセリングシート
  • 今日のメニュー
  • 今日の目標
  • 各メニュー詳細
  • 毛髪履歴
  • 改善したいこと・お悩み

毎回同じ項目でお客様とお話したことを書いていくだけなので簡単です。

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