STEP 1基本となる原理・考え方を理解する

03ブリーチの原理

シチュエーションごとにブリーチやオキシの使い分けに迷わなくなる。
バージン毛からのトーンアップ・既染毛の残留だけ取りたい時など、ブリーチワークの幅がグッと広がる内容です。

脱色のメカニズム

ブリーチの1剤と2剤の成分
BLEACH
1剤
アルカリ・過硫酸塩
OX
2剤
過酸化水素水
(オキシ)
アルカリカラーの流れ

ダメージの原因と対策

ダメージは3つに分けられる
結合の損傷
シスチン結合が損傷する
症状
切れ毛・枝毛
対策
プレックス剤
外部損傷
症状
ざらつき・見た目
対策
18MEA・シリコン

CMCの中に含まれる接着剤的な成分

内部損傷
髪がテロテロになる状態
症状
弾力ハリコシ
対策
ケラチン系

パワーコントロール

ブリーチ脱色力の条件一覧表
倍率 3倍2倍1.5倍

倍率を変えると仕上がりの明度も変わる

オキシの濃度で変わるのは脱色スピード

3%でも時間をおけば同じ明度まで抜ける

保湿 無し有り ラップ・アルミ・コットンなど
温度 常温温かい(加温) 加温する場合は必ず100度未満

水分が蒸発するため正常な反応が起こらない

塗布量 少ない普通多い 一枚毎のパネルに対して

ムラの原因として一番多い

粘度 柔らかい硬い オキシの硬さ

薬剤の髪への密着度で変わる

土台 無し有り ボード、ペーパー、ホイルなど

髪へ押しこむように塗布できるので

倍率の使い分け

主にアルカリ量粘度が変わる

1剤のアルカリがオキシで薄まるイメージ

強い/硬い

オキシ2倍

アルカリ量が上がる
粘度が硬くなる

  • できる限り速く
  • できるだけ明るく
  • 細かい作業しやすい
  • 塗り分けしやすい

例)ブリーチ履歴が複雑で塗り分けたい時、早くしたい時

弱い/緩い

オキシ3倍

アルカリ量が下がる
粘度が緩くなる

  • ゆっくり反応させたい
  • できるだけダメージレス
  • コスパが良い
  • ムラになりにくい(誰が塗っても)

例)エアータッチやロング多毛など時間のかかる作業の時

ブリーチのパワーと使い分け一覧

具体例

よくあるシチュエーション
バージン毛から1ブリーチで明るくしたい
6% 2〜3倍
バージン毛から2ブリーチで明るくしたい
1回目:6% 2〜3倍、2回目:6% 2倍

明度を揃えやすいので弱め→強めで抜く

ブリーチ毛の残留を取って色味を変えたい
3% 3倍前後

ハイダメージの場合1.5%の場合も

ブリーチリタッチで18Lvに繋げたい
4.5〜6% 2倍

リタッチの場合操作性重視で2倍(軟毛は4.5%)

短時間でトーンアップしたい
6% 2〜3倍

塗布の時間短縮したいなら3倍、明度優先なら2倍

時間をかけてもダメージレスに仕上げたい
3〜4.5% 3倍

よくある疑問と対策

よくあるシチュエーション
発泡・液状化
原因
過硫酸塩とアルカリと過酸化水素水のバランスが崩れることによる過剰反応
対策
パワーを弱める(6% 2倍や1.5倍で起こりやすい)
ポイント
しっかりと混ぜる

カップの下に残っていたりすると濃度が変わってしまう

ブリーチ後のオンカラー時に色が入らない
原因
過硫酸塩の残留(頭皮付近に残りやすい)
対策
よく流すorクリア:1.5% = 1:1を揉み込み5分

根元にブリーチべた塗りのケースにオススメ