STEP 1基本となる原理・考え方を理解する

01色の原理

ヘアカラーを理解する上で絶対に外せない「色の原理」の理解。
お客様への施術においての薬剤選定・後輩への教育の場面において、まずはこちらが理解できているかが最も重要になってきます。

色の三大要素とは?

全てのヘアカラーは色の三大要素である「明度・彩度・色相」から作られている。

ベースのイメージから仕上がりのイメージにする際「色の三大要素」がそれぞれどれくらいなのか?を考えながら薬剤選定をすることで、目的の色を出しやすくなります。

明度 彩度 色相
明度…ティントの総量で明度が決まる

例)同じグレーベース(色相は同じ)での明度の違い

ティントの総量が多ければ多いほど明度は低くなり、逆に少ないほど明度は高くなります。
→ ティント=色相のこと(赤/黄/青の色味)

彩度…三原色のバランスで彩度が決まる

例)同じ紫系のカラーでの彩度の違い

グレーに近ければ近いほど彩度は低く、誰からみても何色か分かるカラーは彩度が高いと言えます。
三原色のバランスで彩度が変わります。(後ほど解説します)

色相…この7つをおさえておけばOK

色々な色相がありますが、基本的にこの7つをおさえておけば間違いありません。
「お客様の求めている色相はこの中のどれか?」を探します。

無彩色(黒・白)
  • アカ
  • アオ
  • キイロ
  • オレンジ
  • ムラサキ
  • ミドリ

練習問題

次のカラーの「明度・彩度・色相」をそれぞれお答えください。

明度
彩度
色相
明度
彩度
色相
明度
彩度
色相
明度
彩度
色相

ピグメントバーを理解する

明度は「ティントの総量」で決まる

髪の毛をコップに例えて考えてみます。
明度が低いのはコップがティントで満たされている状態。
明度が高いのはコップが空っぽに近い状態と言えます。

グレーとシルバーをピグメントバーで考える

黄・赤・青が同量だと「無彩色」になります。
よって三原色が均一になるとグレーではなく「黒」。
低明度のグレーを作るのであればティントを多めにして黄・赤を同量にして青は少し多め。
高明度のシルバーを作るのであればティント少なめで、同様に青を少しだけ多くして作ります。

POINT
青が少し多いとグレーに見えやすい。
彩度は「三原色のバランス」で決まる

紫系のカラーで考えてみましょう。
髪の中の黄色に対して、赤と青がどのくらいの量入っているかで彩度が決まります。

黄色の量よりも少しだけ赤と青が多い

彩度の低い

赤と青の割合がさらに多い

彩度の高い

紫カラーが上手く作れずにグレーになってしまうとき

原因としては髪の中の色素に対して赤と青の量が少ないということが挙げられます。
グレーになってしまう時は、三原色のバランスが均一になってしまっているということ。
カラー剤の明度を下げたり、コントロールカラーを使用して赤と青の割合を増やしてみましょう。

髪に含まれるメラニン早見表

髪のメラニンに対して何を足せば希望する色味になるのか?
レベルごとのメラニンをしっかりと理解しておくことをお勧めします。

彩度は「三原色のバランス」で決まる

※お客様の髪は前回染めた残留ティントがある場合がほとんどなのであくまで参考として

色の混色

色の混色とは?

髪色は色同士が混ざり合うことでできている。

染める前の状態に、カラー剤が混ざることで仕上がりの色になる。

減法混色
カラー薬剤選定におすすめの色相環
×

この色相環では明度、彩度、色相の三大要素のうち
「色相」のみしかわからない。

○

端に行けば行くほど彩度が強く、
中心に近づけば近づくほど彩度が低い。

色味のバリエーションは大きく分けると13通りある

先ほどの色相環が明度別、彩度別、無彩色込みで13通りあると考えてください。

カラー剤について
3Lv暗くて彩度が低い
13Lv明るくて彩度が低い

彩度を強く出したい場合は7-8レベルを使用する

商材によります

混色の基本
濃い黄色

濃い黄色

濃い赤

濃い赤

濃い青

濃い青

明度が低い無彩色

明度が低い無彩色

薄い黄色

薄い黄色

薄い赤

薄い赤

薄い青

薄い青

明度が高い無彩色

明度が高い無彩色

同じ濃さの補色を混ぜても無彩色になる
黄色 紫
黄色 紫
黄色 紫
無彩色

無彩色

練習問題

次のカラーを混ぜ合わせると何色になるかそれぞれお答えください。

濃いオレンジ

濃いオレンジ

薄い青

薄い青

  • or
濃い黄色

濃い黄色

薄い紫

薄い紫

  • or

混色を色相環で考える

濃い黄色に濃い紫を混ぜれば
無彩色で色の移動がとまる。
濃い黄色に薄い紫を混ぜると
無彩色よりも手前でとまる。

混色をピグメントバーで考える

濃いオレンジ
薄い青
ブラウン

濃いオレンジに薄い青を混ぜても、
まだ黄色と赤の方が多い状態 = 茶色

イエロー
薄い紫
ブロンド

濃い黄色に薄い紫を混ぜても、黄色の量よりも赤と青が少ないため紫にはならない

混色を実際の写真で考える

オレンジの髪を無彩色に染めたい場合の考え方。
→ 使う薬剤は「青み単品」

彩度の低いオレンジ

ブルーブースター:ライトブースター 1:1で染めた無彩色

髪色のルール

  • 全ての髪色は、作った薬剤の色味ではなく、最終的に髪に残る比率で決まる
  • が多ければ明度低くなり、少なければ高くなる。
  • 比率の偏りが大きければ彩度は高くなり、少なければ低くなる。
  • 濃い色から薄い色は作れない。